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2013/02/26 / Rocketman3

photoblog_025 街を見下ろす漆黒の王

都心にこの冬二度目の雪が降った朝。人々は誰もが下を向き、凍った路面に足を捕られないよう歩いていた。

 

灰色に鈍く光る空を背景にそいつは高い塔の上から街を見下ろしていた。突然の天候にあたふたする人間を見下ろす姿はまさに「睥睨する」という言葉がこれ以上ないほど似合っていた。

 

いつでも空を飛び、都会の裏の隅々までに目を配り、日々を生きているやつの眼に、たかだか雪ぐらいであわてている人間たちはどのように映っているのだろう。

 

今この瞬間、街の王はやつなのだ。やつこそがこの世界から自由に振る舞い、街をその漆黒の羽根の下に従えているのだ。やがてやつは甲高くひと鳴きして、街にその威厳を響かせるだろう。

 

 

……カラスは声を上げることもなく首をぐるりと一度めぐらせると、めんどくさそうに羽根を広げ僕のつまらない妄想をはたき落とし、灰色の空の向こうへと飛んで行った。

 

 

 

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