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2013/02/21 / Rocketman3

photoblog_024 幻のように思えた光景

 

(mixi日記 お蔵だし 2006年09月17日01:46)

 

マイミクphoto-voxの日記を読んでいてふと思い出した。

僕もカメラを持ってあちこちをふらふらするのが好きだが、同じように横浜のちょっと外れを散策したことがある。

そのときはphoto-voxに貸してもらったKonica-3というハーフサイズで撮影できるカメラを持って、京急の黄金町あたりをうろついていた。このときに強烈な印象を残したのが以下のふたつ。

まずは野毛のあたりからぶらぶら歩いているうちに、なんとなく狭い路地に入っていってしまった。するとあちこちに女性が立っていてなにやら声をかけてくる。なんだか判らずに話をしてみたところ「遊んで」いかないか、とのこと。

しゃべり方からして日本人ではない、東南アジア系の女性だった。いろいろ言われたがまだ真昼間である。適当に会話しつつ、「写真を撮ってもいい?」と聞いてみたところ、「シャシン、ダメネー」と笑いながら言われた。

のちに知ったことだが、その周辺はいわゆる「チョンの間」が集まる一帯だったらしい。

今思うと、そういうシチューエーションで写真を撮っていいかと尋ねた自分にビックリなのであるが、そのときはぜんぜん臆することがなかったのが不思議である。

さらに散歩を続けるうちにたぶん関内の外れのあたりにたどり着いた。夕方になりフィルムの残りが少なくなっていて、さて、どうしようかな…と思っていたのだが、ふと前を見るとロンゲで上半身裸の兄ちゃんがノシノシと歩いてくる。しかも頭からダラダラと血を流しながら。ロンゲと言ってもチャラチャラした感じではなく、言ってみれば「その筋の人」というかんじだった。

さすがに驚いてしまってシャッターを切るどころではない。夕焼けに染まる町の中、まるで映画のワンシーンのような光景に圧倒されてしまった。

今から10年以上前の出来事である。横浜、横濱、ヨコハマ。いろんな顔を持っている街、町。人々がたくましく生きていて、キレイごとなんて通用しない一帯。当時は2、3日あとになって、あの女性も、あのアンちゃんも白昼夢だったんじゃないかと思えてきた。でもモノクロのフィルムにはその日の散策の記録がはっきり写っている。

たぶんあと10年もするとこうした街の風景もなくなってしまうのかもしれない。

ここまで書いて、さらに思い出した。

たぶん15年ぐらい前、ひょんなことから墨田区は向島のあたりを散歩していたときに、長屋ともアパートともつかない住居が密集する一帯に出くわしたことがある。

木造平屋でともすれば倒れそうな家屋が並んでいたり、家の軒下には鉢植えやら発泡スチロールの箱から伸びる植物が部外者である僕をあざ笑うかのようにその手を広げていたり。

これはもう言葉では言い表せない光景で、当時すでに平成の時代だったのにもかかわらず昭和40年代のたたずまいを濃厚に発していた。

このときはまだカメラに目覚める前だったので、ただただ圧倒されるばかりだったが、たとえカメラを持っていたとしても、果たしてこの光景を撮影することができただろうか。そこには安易な「一見さん」お断りというか、興味本位でシャッターを切ることがそこに住む人たちの濃密な日常感を乱してしまうような、そんな気配が漂っていた。

数ヶ月前に向島近辺に折りたたみ自転車を持って出かけた際にふと思い出しそのあたりと思しき一帯を走ってみたのだが、あの光景に出くわすことはなかった。思えばあれから15年近くが経っているわけであり、昭和40年代の光景も時代の流れに押し流されていってしまったのだろう。

ここで「もったいない」なんて思ってしまうことが傲慢なことであり、僕らのような「通過者」にとっては懐かしい昭和の風景も、そこに生きる「生活者」にとってはさっさと家を建て替えて少しでも快適な生活を送るほうが何倍もすばらしいことなのである。

「昭和」の風景が大好きな僕としては、なるべくそうしたものを記憶のなかに、そして写真としても残しておきたいと思う。

でもそれ自体が果たして「残される」ほうからからすればいいことなのだろうか? 鉄筋のマンションに住みながら木造平屋を撮影することが、傲慢な趣味と言えなくはないのだろうか?

たぶんこの問題は被写体と撮影者の関係性というレベルにおいて「写真論」にもなってくるように思うのだが、細かいことをグタグタ言わずに撮りたいものを撮る! というスタンスになるためには何が必要で、また何を捨てていかなかければならないんだろうか?

なんだか難しくなっちゃったけど、街を散策すること、そしてそこで出会った光景を記録することには、なんともいえない魅力と魔力があるってことを言いたかったんだよな、たぶん。

 

 

 

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