Skip to content
2010/11/30 / Rocketman3

片岡義男 「東京青年」

 

三度目の読了だが文句なしの★5つ。1960年前後の東京を舞台にしたストーリー。戦後から立ち直った日本の都市という雰囲気がしてよい。相変らず文体のきれいさとしっとりした女性の描き方も○。また写真に関する描写が多く出てきて、やはりモノクロで色々なものが撮りたくなる小説である

そしてなによりも美しい日本語、美しい会話、(内面的に)美しい人たち。ここにも、もはや失われてしまった永遠がある。

それは作者がアメリカの雑誌から複写した一枚の写真(=本の表紙)から想像、創造した5人の美しい女性とふたりの東京青年の物語。青年は東京のどこかにいればいつの時代にいてもおかしくはないが、女性たちはこの時代でなければいけない、という作者の思いは作中にて描かれる「(もはや戦後ではない)新しい時代」「佐田啓二の奥さんになるような、新しい女優が必要なんだ」「女性の時代(銅像のタイトル)」と密接にリンクしている。

とくに新進女優としてデビューした日比谷優子のパートは今の自分の好みにとてもあっている。この時代の新しい女性像、女優像。吉永小百合は「拳銃無頼帖 電光石火の男」でスクリーンデビューしたがこれもまさに1960年作品。彼女の美しさは他の女優と違ってまさに瑞々しく新鮮に思えたが、まさにそういう時代だったんだろう。

そしてふたりの青年、文章のヨシオと写真の冬彦は、両方が片岡の分身なんだな。

とにかく「片岡義男=ただのお洒落小説」と思っている方にこそ読んでいただきたい作品。あわせて「夏と少年の短篇」もぜひ。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。