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2006/01/26 / Rocketman3

片岡義男 「夏と少年の短篇」

夏という季節の透明感にあふれ、その中でもはや失われてしまった虚構としての少年と少女の一瞬が、日焼けした肌の上の水滴のように光っている作品集。

 

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片岡義男という作家のことは当時の角川文庫のキャンペーンなどで知っていたが、「なんとなくお洒落でトレンディ(死語)な小説を書く人」という認識しかなく、というよりもその頃はそういうものを毛嫌いしていたので、手にとることはなかった。

そんな僕が片岡作品にハマッていくきっかけになったのがこの短編集だった。

最初に読んだのはもう10年以上前、新聞の新刊広告で見かけたのだが、もともと「少年」というキーワードが大好きで、このタイトルがあまりにも簡素で美しかったので記憶に残っていたところ本屋で偶然見つけ、表紙のイラストがずっと昔の中学生向け雑誌(「中2コース」とか)の挿絵みたいなかんじでこれまた印象的で思わず購入した。

そして最初の一篇「私とキャッチボールをしてください」で一発KO、片岡ワールドへとハマッていくことになった。

片岡義男=お洒落トレンディと思っている方(僕もそうだった)にこそ読んでほしい。今はハヤカワ文庫で手に入るはず。

とくに「私とキャッチ・ボールをしてください」「あの雲を追跡する」「おなじ緯度の下で」の3篇が非常によい。読み返すたび、ラストシーンで呼吸が止まるようだ。

 

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(文庫本 裏表紙より)
17才から18才の少年と少女にとって夏は特別の季節だ。夏の間に、少年と少女は大人への第一歩を踏み出す。初めて自らの意志で理想の異性を意識することによって。梅雨のあいま、本格的な夏、そして晩夏。それら夏の独特の時間の中で、ほとばしる少年と少女の繊細な官能性のすべてを、さわやかに、端正に表出した片岡義男の青春小説集。「私とキャッチボールをしてください」「永遠に失われた」など清冽な7篇を収録。

私とキャッチ・ボールをしてください
夏はすぐに終る
あの雲を追跡する
which以下のすべて
おなじ緯度の下で
永遠に失われた
エスプレッソ二杯に固ゆで卵をいくつ?

解説(赤瀬川 隼)

 

 

(→ コメント@旧ブログへ)

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